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LIPLAB

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戦状のメンミィ

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19XX年春。私は死んでいたのかも知れない。その時私は反政府軍専属のカメラマンとして戦場に参加していた。私のカメラは被写体を選ぶ事は無い、しかし通信社へ持ち込むアルバムを埋めるのは行動を共にした友の死体の写真ばかりだ。


国が民を無差別に攻撃していてる。すでに敵と味方の区別も付かない状況に陥ろうとしていた。政府軍は手段を選ばない。攻撃ヘリ、戦闘機、劣化ウラン弾クラスター爆撃、生物兵器。次は核ミサイルでも撃つ気なのか!!!考える暇も無く次の戦闘が始まった。
友軍兵士が叫んだ「か、彼女を見ろ!!」 彼女!?この部隊に女は居ない、私はそれをコードネームか何かだと思った。
銃から発射された弾は見える。特に自分に向かって飛んで来るものは。避けきれない放物線を描きながら火の玉が私の胸元で光った。

ぱしぃぃぃん 

時が止まったのか?次の瞬間には友軍の部隊も敵側の部隊も全てが消えていた。自分の体を調べる。痛みも傷も無かった「助かったのか!?」私は身を屈めながらカメラに新しいフィルムを押し込めてレバーをチャージする。
「か、彼女・・」私の目は彼女をフレーム越しに捉えていた。ついさっきまで戦場だった野原には蝶が舞い柔らかい風の中で彼女は笑っていた。

「キミが、、やったのか!?」 彼女「あははは」 ・・まさか、そんな、、 戦闘だけを消してしまったのか!? 「ど、どうして私も消さないのか!?」 彼女「あははは」 「私が非戦闘員だからなのか!」 彼女「あははは」 

太古からそこに建つのであろう建物を背景にカメラのシャッターを切っていた。今思い返す。彼女はきっと征戦の女神メンミィさんなのだと。
飯をよそってくれた現地の母が言っていた「メンミィさんが居るから大丈夫・・」 のんきな言葉にも思いつめた独り言のようにも感じられた。一緒に飯を食べていた兵士達はその言葉に意気消沈していた気がする。彼女が現れる時は自分達も掻き消される事を知っていたのかも知れない。



            〔戦状のメンミィ〕

挿絵( http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/s/sawani-co/20161123/20161123195325.jpg )