カラスびびるよね
混沌の世界に生まれた光の卵がパカリと割れた。
それを狙っていたカラスが、それを飲み込んだ。
おれは産みの親でも親戚でもないが、イライラして
背中に翼が生えてきた。
カラスは真っ黒に無視しだして、大きく何かをひねり出して
飛び去ってしまう。
許せない許せない絶対許せない
あせっていたらツバメがそれをパクリと飲み込んだ。
おれはひらひらと宙返りを繰り返して言った。
「なんか、かなしい」
ツバメは何も言わずその口でおれを飲み込んだ。
〔カラスびびるよね〕
挿絵( http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/s/sawani-co/20161119/20161119122439.jpg )