おまえには絶対ついて来れないスピード
この世界に色んなトラッカーがそこらじゅうに設置されていて
それが頻繁にレーザービーマーみたく更新してゆくとして
青春なり幼少期が過ぎ去るように きみのマーカーも点滅を繰り返している
止まっていれば消える そんな風な具合に動体反応を識別するようだった
ある朝きみは旅に出た そして色んな感動を記憶していったとして
それらを誰かに伝えたいって思った瞬間に全てがシャットダウンされた
感動を増幅して出力するにはそれなりの貯めが必要だったからだ
吐き出すエネルギーは推進剤となって またきみはどこかへ旅立っていった
だから進んだり止まったり 人はワンテンポをロスる分 感情を貯蓄できるのかも知れなかった
スローライフ 緑とそよ風の中の自然 個人を尊重できうる適度な孤独感
そんな勘違いはスローにしか動けなくなった時だけに取っておいたほうがいい
渡り鳥の呼吸法のように高効率な無駄の無い人生のフォルムに憧れはすれども
誰もついて来れないような自分だけの居場所なんてのは 一つの場所には無いんだよきっと。。
〔おまえには絶対ついて来れないスピード〕
挿絵( http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/s/sawani-co/20161118/20161118191331.jpg )